七味唐辛子の口上
七味唐辛子の口上には幾通りもあり、正解がないのが現状です。
暖簾わけを行うたびに、分家のオリジナルに変るせいだと思います。
そこで、ここでは切り口を代え、私共から見た口上を説明したいと考えます。
本などで七味唐辛子の口上と調べますと、
まず最初に入れますのは、(これだけは変りません)
武州川越の名産・黒胡麻が入ります、
続いて入れますのは、紀州は有田のミカンの皮、これを一名、陳皮(ちんぴ)と申します、
続いて入れますのは、江戸は内藤新宿八つ房が焼き唐辛子。
続いて入れますのは、東海道静岡は朝倉名産、山椒は小粒でピリリッと辛い粉山椒(こなざんしょう)、
四国高松の名産は唐辛子の粉、大辛中辛を決めて参ります。
大和の国の芥子の実が入ります、
最後に野州日光、麻の実が入りまして七色唐辛子。
大辛に中辛、家伝の手法。お好みに応じて調合いたします、
はいどうぞー!
こんな感じで紹介されています。
これが私の先代にかかりますと
まず最初に入れますのは、
大川端、武州川越の名産・黒胡麻が入ります、
続いて入れますのは、紀州は有田の温州みかんの皮
これを天日に晒すこと10と4日
それでできまするが色白ちんぴ(陳皮)
(ここで前の女の人をいじくる。男の場合は彼女、愛人などにして)
続いて入れますのは
味良し、香り良しの
江戸は内藤新宿八つ房が焼き唐辛子
そして海の幸、山の幸の房州青海苔
海の幸が青海苔なら
山の幸から、山椒は小粒でピリリと辛い粉山椒
と、なり
金ボールをスプーンで叩きながら進行します。
こんな口上ですが、どこでもいきなり口上を披露するわけではありません。
口上より先に大事なもの、それは人の流れです。
客が客を呼ぶ、集団心理的なものが働く場所でなくてはなりません。
口上は物を売るためのものでなく、人を集めるための手段なのです。
次に声かけ。(もちろん、頂戴なんてきたら別ですよ)
最初の一人が店に付くまでは口上はしません。
軽く声をかける程度です。
そして寄ってきたら世間的話、絶対ここで口上は始めないのです。
そんでもって、人が覗き始めたところで口上の始まりです。
このときに客の動向の推移には半端でないほど気を使います。
そわそわしている方を後にやり、反応の良い方を前列になどと、
聞く状態をジワジワと作りあげます。
そして観客数が最大になったところで販売を始めます。このときはたとえ話が途中でも端折てでも販売にすすみます。
逆に人数が集まらないと、必然的に長くなります。
こうなると、最初の本などの口上ではとても足りないのです。
強引に続けると、客も同じ話の繰り返しでは飽きてしまいますからね。
販売をするにもコツがあります。
最初に絶対に七味唐辛子を買う人を見定めることです。
はいと、袋に入れて渡したときに快諾してくれひとです。
これが成功すると、簡単に次々と売れます、ここでも群集心理を巧みに使っているのです。
最初の一人に拒絶などされた日には、負の深層心理が働き全員が買わないなどと言うことになります。
これが前提にあるために口上に真説や正解がないのです。
ところであなたは、これと似たような光景を目にしたことがありませんか?
そうです、実演販売です。
実演販売は、この口上の販売ノウハウを活かしたものなのです。
今も脈々と行き続ける口上販売、きっとあなたはいつの間にか目にしていたのです。
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